「新約 留魂録 吉田松陰の死生観」
幕末の激動時代に激しく命を燃やし、日本の未来のために活動した吉田松陰が処刑前日まで発信し続けた留魂録の現代語訳本。
松陰の強い思いが高杉晋作など歴史に名を残す人物たちを生み出し明治維新を経て今の日本が成り立っている。
松陰がいなかったら今頃どういう国になっていたか分からないだろう。
松陰は31歳という若さで処刑されこの世を去っているがこれほどまでのエネルギーはどこから生まれたのだろうと不思議に思う。
現代を生きる人間からはなかなか想像のつかない生き方である。
しかし本の中で記憶に残ったのが、31歳で死ぬことを短くて惜しいと考えることは蝉の一生と大木の一生を比べるようなことだというような内容。
それぞれの一生の中に成すことがあってその中身が大事なのであって全部同じ物差しで長いとか短いということを語るのは意味が無い、ということ。
長く生きても何もしていなければ意味は無いし短くても何かを成すことでとても意味のある命となる。
他にも肉体的な命は無くなっても思想や思いというのは生き続けるという考え方など、松陰の死生観はとても迫力があります。